ここまで、電動車いすサッカーの説明をしてきましたが、次に実際の活動の現状をお話させていただきます。電動車いすサッカーは、1982年に大阪で考案されたスポーツです。1990年代に入って各地に続々とチームが誕生し、1995年に初めての全国大会が開催され、全国組織を結成。現在は、日本電動車いすサッカー連盟という組織のもと、各地域のブロック連絡会ごとにチームが統括されています。今年度は、北は宮城県から南は沖縄県まで、全国で48チーム402名の選手が連盟に登録するまでになっています。90年代の後半から特にチーム数の増加が大きくなっており、現在も毎年普及を続けている状態です。主な大会としては、各地域のブロック予選を勝ち抜いた16チームによって争われる「日本選手権大会」、各ブロック単位の選抜チームで争われる「ブロック選抜大会」という全国レベルの大会が毎年開催されています。また、各ブロック主催の大会や審判講習会、その他の団体による大会・イベントなど、様々あり、連盟に所属はしていないが電動車いすサッカーを楽しんでいるチームなども多い為、これからも競技人口の増加が見込めます。

 今後の課題としては、いかに競技の普及を行っていけるか、という点が重要だと思われます。一人でも多くの方に電動車いすサッカーの存在を知ってもらうこと、そのためのメディアを含めた広報活動が重要であると思います。また、実際にやってみようと思ったときに直面する練習会場確保の問題。電動車いすでも利用できるようなバリアフリーな体育館が地域に増えていくこと、もしくは電動車いすでの利用を許可してくれる体育館が増えていくことが不可欠です。さらに、日頃の活動を支えるボランティア、スタッフの人口の増加について、これからの活動に希望を持っているボランティア等とのチームとの橋渡しができるようなネットワーク作りが求められます。そして、こうした活動を行うための資金をどうしていくのかなど、今後の普及活動を進めていく基盤作りが、電動車いすサッカー界全体で問われて行くものと思われます。選手、スタッフ、ボランティア、審判、オフィシャル、そして試合の応援など、その人にあった電動車いすサッカーの楽しみ方がきっと見つかると思います。これからも電動車いすサッカーへの応援を、よろしくお願い致します。















 サッカーはサッカーでも、電動車いすサッカーというのは耳慣れない言葉だと思います。電動車いすサッカーとは、その名の通り、電動車いすに乗ってプレーするサッカー、という競技です。
皆様は電動車いすというものは見かけたことがありますでしょうか?「電動車いす」とは、車いすにバッテリーとモーターを搭載し、コントロールレバーの操作によって、電動で動かすことができる車いすをいいます。電動車いすは、手元の操作レバーを倒すとその方向に動き、前進・バック・回転、スピード調節もすべてレバーひとつでできるという車いすです。様々な障害によって、通常の手動の車いすを漕いで動くことができない人でも、電動車いすに乗って自分の思い通りに自由自在に動き回ることができます。車いすで行うスポーツとしては、バスケットボールや陸上などたくさんありますが、私たちのように、手動の車いすを漕いで動き回れない人が楽しめるスポーツは、非常に限定されてきました。この電動車いすサッカーは、電動車いすの操作さえできれば、電動車いすの動きだけでプレーできるというスポーツで、比較的重度の身体障害者でもスポーツすることを可能にした画期的な種目です。身障手帳の交付を受けていれば障害に限定はなく、脳性麻痺、筋ジストロフィー、頸椎(けいつい)損傷 等をはじめとし、さまざまな障害の選手が活躍しています。レバーの操作も、手、足、アゴなどその人が一番動かしやすい部分で行われます。そして、この競技の面白い点は、電動車いすに乗っていれば、年齢や性別を問わず同じ条件で誰もが楽しめるスポーツであることです。実際に大会では小学生から高齢の方まで、男性も女性も一緒になってプレーしています。また、選手だけではなく、健常者の方にもいろいろな立場で関わっていただけるのも特徴です。選手は身の回りの介助が必要な人も多く、日頃の練習もバンパーをセットしたりボールを出したり、スタッフやボランティアのサポート無しでは始められません。大会の運営をサポートするスタッフ・ボランティア、審判員・オフィシャルなど、たくさんの方々のサポートによって競技が成り立っており、そうしたすべての方々がひとつになって盛り上げ、熱くなり、心から楽しめる。そんな「みんなでエンジョイできる」おもしろさも電動車いすサッカーの魅力になっています。
電動車椅子サッカーとは?